野球選手の守備力を表す指標として、守備率があります。選手個人やチーム全体の守備率の数字が大きい程、エラーが少なく守備力が高い選手・チームだという事を表します。
そこで、選手・チームの守備力を表す守備率の計算方法、刺殺・補殺・守備機会の意味を紹介します。
守備率とは
野球では、走・攻・守という文字が使われますが、その守の文字の部分にあたる一つの指標が守備率です。
選手が守備をするさいに関わった回数のうちエラー(失策)をしなかった確率を表し、守備率の数字が大きい程、守備機会に対してエラー(失策)が少ない選手・チームであると言えます。
守備率 = (刺殺数+補殺数)÷(刺殺数+補殺数+失策数)=(刺殺数+補殺数)÷ 守備機会 となります。
ちょっと計算式が長いですが、現在プロ野球でもこの計算式で守備率を計算しています。
計算する上で、刺殺数や補殺数、守備機会といった言葉が使われますがその言葉(プレー内容)について解説します。
刺殺とは
刺殺の定義として、3種類のプレーがあります。
- フライ・ライナーを捕球したことにより、バッターをアウトにしたプレー
- 守備者からの送球を受けてバッターもしくはランナーをアウトにしたプレー
- ベースを離れたランナーへのタッチでアウトにしたプレー
1のプレーは、理解するうえで簡単ですね。フライやライナーを直接捕球する事でアウトにした場合に、その選手に刺殺1が記録されます。
2のプレーは、内野の守備を考えればわかります。ランナー無しの状態で、ショートがゴロを捕球しファーストに投げてアウトをとった場合、2の送球を受けてバッターをアウトにしたプレーに該当するのがファーストなので、ファーストに刺殺1が記録されます。
3のプレーは、盗塁・牽制やランダウンプレーなどで最後にランナーにタッチをしてアウトにした選手に刺殺1が記録されます。
刺殺の記録
バッターが三振をした場合は、球を捕球したキャッチャーに刺殺1が記録されます。
もし、振り逃げが発生したら、キャッチャーがランナーにタッチしたらキャッチャーに刺殺1。
ファーストに送球してファーストがベースを踏んでアウトにしたら、ファーストに刺殺1が記録されます。
守備妨害を受けてランナーがアウトになった場合は、守備妨害を受けた選手に刺殺1が記録されます。
インフィールドフライを宣告されてバッターがアウトになった場合は、そのインフィールドフライを捕球できると思われた選手に刺殺1が記録されます。
ランナーが打球に触れてアウトになった場合は、そのアウトになったランナーに一番近い選手に刺殺1が記録されます。
打順間違いによるバッターがアウトになった場合は、キャッチャーに刺殺1が記録されます。
補殺について
アウトが成立した場合に、そのアウトになる過程で送球やそのアウトになる補助を行った場合に、補殺が記録されます。
フライ・ライナーを直接捕球した場合には、補殺が記録されません。
補殺の記録
ショートゴロをうちファーストへ送球してバッターをアウトにした場合、ゴロを送球したショートに補殺1が記録されます。ランダウンプレーを行ってランナーをアウトにした場合、ランダウンプレーに参加した守備者全員に補殺1づつ記録されます。
レフトフライを打ち、3塁ランナーがタッチアップをしてホームでアウトになった場合、まず、レフトフライを捕球したレフトには刺殺1が記録されて、ホームで送球を受けたキャッチャーがランナーをアウトにしたら、キャッチャーにも刺殺1が記録されます。
そして、その送球を投げたレフトには補殺1が記録されます。もし、そのホームへの送球をショートが中継した場合には、ショートにも補殺1が記録されます。
この記録の場合、レフト刺殺1補殺1、ショート補殺1、キャッチャー刺殺1が記録されます。
守備機会とは
選手が守備に関わった数になります。ゴロの処理、フライの捕球、ベースまたはランナーへのタッチ、送球の中継プレイ、ランダウンプレイ。
アウトになるプレイに関わったものに記録されます。
まとめ
守備率を求める上で、刺殺・補殺・守備機会のプレー内容の意味を理解しないといけません。特に刺殺と補殺は、言葉とプレー内容が逆に感じてしまいがちです。
補殺は捕ってアウトにしたや刺殺は投げてアウトにした感じになってしまいますが、まったく逆になります。
この点に注意して記録していけば、刺殺・補殺などを求めて守備率を計算する事が出来ます。しっかり守備率を計算して選手個人の守備力やチームの守備力を客観的に把握してみて下さい。
思わぬ選手・チームの弱点が見つかるかもしれません。
コメント
ほさつのホの字は補うのホですよ。
捕殺× 補殺○
>yumi様
ご指摘ありがとうございます。
完全に文字を間違っていました。
捕殺だと、害虫駆除などの意味であり、アウトを補うという意味の”補”が正しいですね。