投手の能力を表す指標の一つとして、防御率という物があります。
プロ野球・アマチュア野球を問わず、投手の指標として防御率は真っ先に使われています。
その投手の能力を表す指標の防御率を解説します。
防御率とは
1人の投手が1試合まるまる投げた場合に、どれくらいの失点をするかを表す指標です。
もちろん、この防御率の数字が低い方が良い投手と言えるでしょう。
防御率の計算式
現在の防御率の計算式は、防御率 = (自責点 × 9 × 3) ÷ (投球回 × 3)になります。
以前は、防御率 = (自責点 × 9) ÷ 投球回で計算されていましたが、現在は上記計算式によって防御率を求めます。
9の数字はイニング(回)になります。その後の3アウトを表しています。
9×3で27。9回イニングのアウトの総数が27ということで、まずこの数式を使います。
また、式の後ろの投球回×3の式でいくつアウトを取ったかを表して計算します。
例として、5回で自責点2の投手の防御率は、
(自責点(2)×9×3)÷(投球回(5)×3)で求めます。
計算すると防御率3.6になります。
では、8回1/3で自責点2点の場合はどのような計算式になるのでしょうか。
8回1/3は、8投球回とアウトを1つ取って交代した場合になります。
この1/3に3を掛けて計算します。
式として、(自責点(2)×9×3)÷(投球回(8)×3+1/3×3)
防御率2.16となります。
防御率の小数点第3位を超えている場合は、小数点第3位で四捨五入して表記します。
このことから、取ったアウトの数でも計算出来ます。
(自責点×9×3)÷(アウトを取った数)
また、防御率を計算する上で自責点を考えないといけません。
自責点については、下記記事を参考にして下さい。
アマチュア野球の防御率計算
アマチュア野球などでは、試合のイニング数が7回の場合があります。
そのさいに、防御率を計算する上で9イニングで計算したらいいのか、7イニングで計算したらいいのか議論されています。
大会の防御率計算規定などがある場合は、それに従えばいいですが、そうじゃない場合にはどうすればいいでしょう。
あくまで自分の考えですが、殆どが7イニングの場合には、イニング計算は7回で計算した方が1試合における失点をする割合として見る指標の意味が出ると思います。
1試合でどれ位点を取られるピッチャーかを客観的に見る事が出来ると思います。
9イニング計算をすると防御率の数字がどうしても小さくなってしまうので、本来の能力から少しかけ離れてしまうのではないでしょうか。
防御率による優劣
プロ野球の投手の防御率を参考に評価してみます。
- 防御率0点台 超優秀な投手・・プロ野球の歴史でも1970年に村山実(阪神タイガース)が記録した0.98がプロ野球シーズン記録となっています。
- 防御率1点台 超優秀な投手・・最近では、田中将大投手(当時楽天イーグルス)が2011年に1.272、2013年に1.273を記録しています。
- 防御率2点台~3点前半 優秀な投手
- 防御率3点後半~4点前半 普通の投手
- 防御率4点後半~ 試合では使いづらい投手
防御率が表す能力
防御率1点台の投手だと、その試合で1点とるのがやっとのとてもいい投手という事になります。
対戦相手側としたら、その投手が相手の場合2点取られたら負ける可能性が高くなるので、相手を0点に抑える気持ちで戦わないといけないぐらい相手を精神的に追い詰める事が出来ます。
逆に、防御率4点台の投手が途中から登板してきたら、2イニングで1点は取れる投手と言えるのでかなり精神的に楽な状態になるでしょう。
(必ずしも1点しか取れない、2イニングで1点は取れるというわけではなく、あくまでも確率的にと言うわけです)
まとめ
投手の能力を表す指標の一つの防御率。必ずしもその投手の能力を完全に表しているわけではありませんが、投手の指標として真っ先に上がってくるのが防御率です。
客観的に見る事が出来る指標として、防御率を上手く求めてチームの投手能力を計ってみるのも面白いです。
更新日:2021/03/24
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